過剰に付着した舌苔は、口腔トラブルの原因

多量の舌苔は口臭の原因に...?

舌苔を構成する微生物のうち、「バクテロイデス」「フゾバクテリウム」などは口臭の原因になります。これらの細菌は、タンパク質を分解して「揮発性硫黄化合物(VSC)」を産生するからです。そして、舌苔には「粘膜細胞」「唾液ムチン」「食品残渣」など、タンパク質が豊富に含まれています。(開口器


誤嚥性肺炎のリスクが上がる...?

唾液などが気管に入りこむことを「誤嚥(ごえん)」といいます。若い人なら「咳きこむことで、誤嚥を防ぐ機能―咳反射」が働きますが、高齢者・病気の人だと、咳反射がうまく働かないこともあります。

誤嚥すると、唾液と一緒に、口腔内の雑菌が気管・肺に入ってしまいます。もし、肺が雑菌に感染すると、肺炎を起こします。誤嚥が原因の肺炎であることから、こうした肺炎を「誤嚥性肺炎」と呼んでいます。高齢者には誤嚥性肺炎で命を落とす人もたくさんいて、リスクの高い病気の1つと考えられています。

さて、舌苔はたくさんの細菌を含んでいます。そして、舌表面の常在菌には、肺炎の起炎菌(炎症を起こす細菌)である「連鎖球菌」「黄色ブドウ球菌」が含まれているのです。当然、過剰な舌苔が付着していれば、誤嚥性肺炎のリスクは上昇します。(歯科用レーザー